日本盤CDはマリッツァ・ホーン単独名義になってますが、実際はドラマー兼アレンジャーでありコンポーサーでもあるラース・ベイボンとの共同名義。70年代スウェーデン産のジャズ/フュージョン系のボーカル物としてはトップ・クラスに位置するものと確信しています。


最初に聴いた時は「女性版ジノ・ヴァネリ?」と思うほどボーカルの熱っぽさに驚き、複雑怪奇なコード進行にも度肝を抜かれましたが、オーソドックスなミディアム・テンポの曲のメロディの美しさも特筆すべきだし、何よりクリアーな録音も古さを全く感じさせないもの。


演奏に参加しているのは当時のスウェーデンのジャズ・ミュージシャンが中心らしいですが、とにかく演奏が上手い。クラブシーンで再評価されたジャズ/フュージョンの発掘アルバムには、正直評判倒れのダサいものもあったりしますが、これだけは別。絶対に「買い」です。