80年代に、コンパクト・オーガニゼイションという素晴らしいレーベルがありました。素晴らしきソングライターでもあるトット・テイラーを中心に、後の渋谷系にも通じるオシャレなジャケットに包まれたポップでカラフルな音楽は、同時期のインディロックの中でも、異質なものでした。


これは当時LPのBOX2枚組で発売されたオムニバス。日本では当時未発売でしたが、89年にWAVEがCD化しました。ジャジーなコード進行を多用したプロフェッショナルなメロディと相反する、どこかアマチュア的で投げやりなアレンジ。このトット流のサウンド・メイキングは、自分もすごく影響されました。


ヴァーナ・リンドの「Attention Stockholm」のスパイ音楽風味や、ポップヘッズのヘボヘボなテクノポップ「Popheads in Space」も最高ですが、手拍子とコーラスが可愛いマリ・ウィルソンの「Beat The Beat」と、展開がスリリングなビューティフル・アメリカンズが、とにかく泣ける名曲。でもやっぱり20曲全部大好だなぁ。