グランジというほど激しいわけでもなく、アノラックというほどヘボヘボなわけでもない。基本的にはシンプルでストレートなギターロックなんだけど、聴くほどに美味なメロディーが多くて胸が熱くなります。レモンヘッズのアルバムのなかでも、やっぱりコレは名曲ぞろい。聴くたびに、ホント泣けるような。


CDの内ジャケにメンバーの写真があるんですが、これが全くもってアメリカの普通の大学生って感じで、ギターでも持っていないかぎり、誰もミュージシャンだとは思わないでしょう。この「普段着感覚」って、音楽性以上に、こういうグランジ・ロックの重要なキーワードのような気がします。


もう何とかロックとか、ロックの未来とか、そういうのでジタバタもがき苦しむんじゃなくて、普通に食べたり寝たり遊んだりするように、ロックをする。それが新しいとか古いとか、もはや、どうでもいい・・・という90年代のロック世代にピタリとハマった、この音。溢れんばかりのグッドなメロディは、永遠不滅のもの。