フェアポート・コンヴェンションのメンバーをバックにしたがえて発表された英国フォーク系SSW、アラン・テイラーの1st。半数以上がトラッド曲なんで、初めて聴いた時は「あかん、地味すぎる」と思ったのに、今となっては「これを聴かずに英国フォークは語れない」と思うほど、我が心の名盤になりました。


弾き語りで攻めると思いきや、ドラムが突然入ったり、ストリングスも盛り上がったり。でも、本人の歌がジェントルで終始落ち着いた歌声で歌われるものですから、ちょっと1本調子に聴こえるかもしまうかもしれません。どの曲も丹精こめて作り上げられた感じで、捨て曲など一切ないんですが。


その後、アメリカナイズされながらも、順調に発表されたアルバムは、どれも確かに地味ながら高品質。もうちょっと下世話な要素があれば、もっと成功できた人かも。渋茶でもすすりながら、縁側でのんびり聴きたい音楽としては、かなり上位にランクします。まぁ、そんな余裕ある老人になるのが、まずは今後の目標ですが。