まともなロックなんて面白くも何ともないけど、何か変態っぽいフリをして、いい気になってるロックってのも、どうなの?でもってピクシーズが素晴らしいのは、そのどちらでもなかったというところ。変テコなのにポップ、激しいのに練られたアンサンブル。どこか既存のロックのルーティーンをなぞるフリをしながら、実は全然違うような。


どの曲も2〜3分で、メロディーやリフなど、いわゆるロックな曲作りとしては、どこかイビツな魅力に満ち溢れています。曲そのもののメッセージなど、たいして意味はない、とばかりに、ナンセンス極まりない歌詞。結論が出る前に、とっとと次の曲をやってしまって、後は知らん顔みたいな。そのスピード感が、たまりません。


メンバーのルックスのヒドさも最高でした。ボーカルは中年太りみたいな感じで、腹の上にテレキャスターをのせて、激しいギターをかき鳴らして絶叫。でも直立不動。ニタニタと薄ら笑いを浮かべた妙なテンションが印象的。よくもコレだけバラエティに富んだ曲が思いつくものです。ホント、何度聴いても飽きないロック。