これより数年前にソニーに残したアイドルっぽい3枚のアルバムのおかげで、かえって損をしている人ですが、はっきりいって天才。アイドル時代にあっても曲作りのウマさと歌唱力は抜群で、音楽的な素養も深い。しかし、この4枚目は、彼の才気がさらに大爆発。坂口安吾をパロった本人写真からして、すごい変身っぷり。


これ初めて聴いた時、「あぁ、やっと彼がやりたい本当のロックンロールができたのだなぁ」と感慨がありましたが、結局また消えてしまいました。その後、メディアが「日本のロックがどうのこうの」という記事を見る度に、ボクは「彼を見過ごしておいて、何のロックを語れるというのだ」と、半ば怒りに近い感情さえ憶えたものです。


「ランデ・ヴー」を原宿のライブハウスで歌うのを目撃したとき、あまりの素晴らしさに気絶する寸前に。その後、彼とは親しい友人同士になり、自宅でアルバムの未収録曲のいくつかを聴かせていただきましたが、そこでまたも気絶寸前に。「なんで、こんな傑作が未発表なの!?」まぁ、天才とは、そんなもんですけどね。