全編、坂本龍一によるラテン/フュージョン風のアレンジが素晴らしい南佳孝の名盤。あの辛口で有名な音楽評論家、和久井光司にして「曲の良さはハンパじゃない」といわしめたほどで、確かにリゾート気分満点の「プールサイド」や「夜間飛行」など、今も決して色褪せない曲ばかり。


演奏メンバーも教授はもちろん、細野晴臣林立夫高橋幸宏鈴木茂など、ティン・パンから後のYMO人脈を総動員。さらにユーミンの書いた詞が素敵すぎる名曲「日付変更線」を大貫妙子とデュエットするなど、あまりの贅沢な人選に眩暈が・・・。だけど、この頃はみんな若かったんですよね(笑)


こういうオーソドックスなポップスの編曲でも見事にセンスの良さを見せ付けてくれる教授のアレンジャーとしてのスケールの大きさに、ただただ感服。高橋ユキヒロの「サラヴァ!」や加藤和彦の「ガーディニア」などと並べて聴きたい。とにかく同時代の歌謡曲のバタ臭さとはまるで違うハイクオリティなサウンドです。