言わずと知れたヒップホップの定番ですが、Tommy Boyレーベルの20周年記念盤として再発された2枚組のデラックス版CDをご存知でしょうか?そのボーナスディスクの2枚目が、めちゃめちゃ最高なのです。当時の12インチシングルのB面の曲などを集めたものですが、はっきり言って本編の1枚目より面白いほど!


どうせシングルB面なんだからと、完全にお遊びに徹したムチャクチャなトラックが多くて、そのいい加減さが、逆に当時のヒップホップの尖った面白さをモロに反映してるのですね。この頃はサンプリングの権利関係なども、今のようにうるさくなかったし、ネタ使いも音色も豪快で、やっぱヒップホップは、こうでなくっちゃ。


つまりヒップホップに「本格派」は、あまり意味がないと思うのですよ。アイデア1発、細かいことは気にしない。これ基本です。音楽より友達とのおしゃべりが面白いとして、それに匹敵する娯楽を、もう一度「音楽」に戻してみる。それが、この時代のデ・ラ・ソウルの、つまりはヒップホップの革新性なのです。