後にメンバーからも酷評され、散々な目に合っているジャパンの初期2作ですが、そこまで言うかぁ、と個人的には思うわけです。というか、ジャパンといえば初期のパンクとファンクとレゲエが混ざってとっ散らかった無理矢理なスタイルが他にはない個性だったわけで、妙に過大評価されてるデヴィッド・ボウイより、遥かに先進的。


デヴィッド・シルビアンの駄々っ子のようなネチネチしたボーカルもよいし、何よりスティーヴ・ジャンセンのドラムのタイトさを生かしたバンドのアンサンブルが素敵過ぎます。「若気の至り」が異様な化学反応を起こしたファーストも大名盤ですが、レゲエの解釈を誤解しまくった、このセカンドも、今こそ再評価すべき。


その後「スタイルが確立する」デヴィッド・シルヴィアンのソロ作品群は、完成度とは別に、どうもロック的なエモーションが感じられない寂しさがあります。日本では、そのヴィジュアルのせいでミーハーな女性ファンを獲得したかのように思えた初期ジャパンですが、彼女たちは既に本能的にロックの本質を見抜いていたのかも。