こういう激しいロックというかパンクなアルバムを紹介すると、意外に思われることも多いんですが、実はコレ、激しくはあっても野蛮じゃない、相当スタイリッシュな音楽だと思うのですよ。フリクションって、とにかく音がスマートで無駄がない。音に余計な贅肉がない。そのスピード感が、本当に気持ちいい。


歌詞もすごくて、結局文章にすらなってなくて、ほとんどメロディもなく、呪文のように日本語や英語の単語を並べて吐き捨てるように歌うだけ。でも、その歌が切り込んでくるリズムのタイミングとか、もう相当に考えられてると思うわけですよ。歪んでるのに耳障りじゃないギターの音響処理も流石です。


プロデュースはフリクション自身とオノ・セイゲンオノ・セイゲンって、ボサノバのリイシューとかのマスタリングとか、自身のソロアルバムで、コムデギャルソンの音楽をやったりとか、ほらね、やっぱりスタイリッシュなわけですよ。90年代に発表されたあらゆる日本のロックの中でも、トップクラスの大傑作だと思ってます。