大滝詠一監修のアストロノウツ盤も最高でしたが、やはり山下達郎監修のベンチャーズ盤も、有名すぎるが故に多くの誤解を生んだ「偉大なるロックンロールバンド」という側面にスポットを当てた素晴らしい編集盤。CD2枚組なのに、収録曲が66年ぐらいまでで止まってます。この時期の彼らの作品は、それほど濃密でした。


カバー曲なのに、オリジナリティを感じさせたりするのもすごいところ。「パイプライン」もシャンティーズのオリジナル版より全然いい。特にドラムスのメル・テイラー加入後のソリッドなりズムのキレ味は最高で、同時代のUKのビートバンド勢に与えた影響も大きいはず。日本への影響ばかりが語られるバンドですが。


「代表曲」ばかり並べた初心者にもやさしい盤であると同時に、「トゥワンプ」「トゥモロウズ・ラヴ」のように隠れたオリジナルの名曲もあるのが嬉しいところ。「ラップシティ」の正確無比なピッキングなど、ほとんどテクノ。テケテケもいいけど、低音弦の「ギュィ〜ン」っていうアーム技も快感。