高橋幸宏にとっては「ニウロマンティック」直後、鈴木慶一にとってはムーンライダーズの「マニア・マニエラ」直前。そんな勢い溢れる2人によるコンビ第一作だけに、悪かろうはずもありません。内省的でロマンチックでありながら、なおかつインダストリアルな攻撃性もチラホラ。ジャケは2種類。LPよりCDの方のデザインが好きかな。


特にプロフェット5のようなシンセの音色も個人的に好みだということもあって、このアルバムは全体的に音色の使い方が絶品。アレンジも実によく練られています。まぁ、ユキヒロの独特の歌唱によって、どうしてもYMO〜ソロ色が濃厚なのは否めませんが、それはそれとして。


そうなってくると慶一が歌う「ダイアモンドの箱舟」や「鏡」のような同時期のライダーズとも微妙に違う楽曲が、同時期のUKあたりの先進的なニューウェイヴのシンクロしているような面白さをより感じます。タイトルの付け方から、ゴドレイ&クレームの「イズミズム」('81)とも連動しているような。