出会うべくして出会った2人。デュエット・アルバムの多くは、レコード会社主体であるため、企画色ばかりが全面に出てしまう傾向があるものですが、ロバータ・フラックダニー・ハサウェイは、タミー・テレルとマーヴィン・ゲイと同じぐらい、ピッタリの名コンビです。資質もルーツも歌唱表現も、お互い近いところにあるのでしょう。


このアルバムは、決まって冬に聴きたくなります。それも夜に。ノスタルジックな気分を駆り立てるのは、ストリングスの物憂げな響きのせいでしょうか。「きみの友だち」は、ボクにとってキャロル・キングジェームス・テイラーより、こっちがオリジナルに聴こえてしまいますね。ダニーのライブと並んで、こちらも名演です。


全体的に緊張感も高く、ほの暗い楽曲が並ぶ中、ヒットした「Where Is The Love」のやわらかな明るいムードで、ちょっとホノボノしたり。聴けば聴くほど、実はずいぶんヴァラエティに富んだ野心的なアルバムだと気がつくでしょう。特に「Be Real Black For Me」と「When Love Has Grown」は、感動的な名曲。