夕焼け楽団だからサンセッツ。イメージチェンジながら、自然なバンド名の変化です。久保田真琴というミュージシャンは、昔から理屈で考えるよりも、まず即実行という音楽の快感原則に忠実な人という印象なのですが、ここでもニューウェイヴというか、かなりテクノな変化も見事に身のこなしが軽いです。


プロデューサーは細野晴臣。打ち込みのリズムの音色など、今も色褪せない素晴らしいもので、同時期にプロデュースしたチャクラの「さてこそ」('81)(超名盤!)と共通するものが。ただ曲調そのものはチャクラよりもシンプルなもので、60'sのテクノ的解釈といった曲では、プラスチックスにも似ていつような。


サンディーのボーカル曲はやはり素晴らしく、90年代前後の怒涛の名作ソロアルバムへのステップも、すでに感じられます。細野作の不思議なインスト曲もあったりしますが、単純に「曲数が足りなかった」だけらしいです。「イビザ島にて録音」ってのも、なんだか90年代以降のテクノを既に予期していたかのよう。