カーペンターズとクイーンって、自分の中で存在感が似ています。いかにも「一般的な日本人が好きな古い洋楽」のド真ん中、というか。それぞれリードボーカリストの悲劇的な死(拒食症とエイズだもの)が、どこか黒い影を宿してしまっているのも、変な意味で日本人のウェットな感性にフィットしている、というか。


カーペンターズが好きといってる8割ぐらいの人って、実はベスト盤しか持っていなかったりするのも事実。まぁ、実際アルバムを聴いても、印象に残るのは、やっぱりヒット曲の方なんですけどね。たとえば、このアルバムだったら、やっぱり「愛のプレリュード」(スゴイ邦題)と「遥かなる影」に尽きるというか。


まだまだ60年代A&Mサウンドの残り香も感じます。でもクリス・モンテスやスモール・サークル・オブ・フレンズの単なる延長線で終わらなかったのは「更に洗練させてやる」というリチャードの執念の賜物でしょうか。ボーカルがカレンじゃなかったら、ヒットしていたどうかは疑問、というくらいマニアックな感性もチラホラ。