「日本のオルタナティブ・ロック」という本の、ライター陣によるベスト10発表にて、堂々と第6位に輝いた赤痢の大傑作アルバム。ちなみにあぶらだこスターリンフリッパーズ・ギター、より上位です。赤痢より上位のアルバムは、ボアダムズじゃがたらフリクション、INU(町田町蔵)、SSと、いづれも強豪ぞろい。


赤痢には、どんなにパンク的な性急なビートであっても、どこか大らかなノリを感じてしまうのですが、その天然っぷりをどんどん突き詰めた挙句に、さらなる高みに達したのが、このアルバム。中学の同級生たちが冗談で組んだ女の子バンドが、まさかここまで成長してしまうとは恐るべし。


ユルユルのビートに、ウネウネしたギターに、ぶっきらぼうなボーカル・・・と、なんだかどの曲も危なっかしい演奏ですが、それが徐々に大きなウネリを描いて、得体の知れないサイケデリックな空間を作り上げていく様は圧巻。真のオリジナリティは、テクニックを超えたところにあるものなのです。