リンダ・ルイス、95年の復帰作。当時、日本でも素晴らしいライブをやって、ちょっとしたブームでもあったんですが、このアルバムは今聴いても全然古くならない、本当に最高のアルバム。最高傑作として「ラーク」('72)ばかりが語られるリンダですが、曲の良さ、完成度ではむしろこのアルバムの方が上ではないかと。


「ラーク」が家で紅茶を飲みながらのんびり聴きたい音楽だとすると、こちらは聴きながら休日にどこかゆっくりドライブにでも行きたくなる感じ。5オクターブのボーカルは変に技術をひけらかすのでもなく、本当に小鳥のさえずりのようなキュートで癒される歌声。そしてサラっとしながらも高度で洗練されたコード展開。


オマケに歌詞もイマジネーション豊かで、本当に唯一無比のシンガー・ソングライターだったと、あらためて思います。このアルバムにサウンドや曲の感じが似ているのは、実はリンダの他のアルバムではなく、キリンジの「ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック」だと思うのは、ボクだけでしょうか。全曲最高。