なんか「スタジオでリハーサル中」みたいな曲ばかりのアルバムなんですが、よくよく聴くと、本当にテキトーに作った感じの曲と、テキトーに作ってるように聴こえるプロフェッショナルな曲が両方混ざってます。酔っ払ってるのに、なぜか綱渡りが平気でできちゃうサーカス芸人ような、そんな破天荒なロックの魅力があります。


「メインストリートのならず者」という邦題が好き。この「ならず者」という表現が、ジャケのイメージにもピッタリ。有名曲「ダイスを転がせ」も、東京ドームで観たときの演奏より、はるかに、このオリジナルヴァージョンの方が好き。ボーカルやコーラスが、ちょっとオフ気味で、その「演奏に声が飲み込まれていく感じ」が最高なのです。


リアルタイム組には、ローリング・ストーンズをブルースやR&Bうんぬんで多くを語る傾向があるんですが、ボクにとってはそのあたりはどうでもよく、むしろこの「作りこまないラフな録音の質感」こそが重要なのですよ。変な過大評価は禁物。フェイセスと同じく、小粋なロックンロールバンドですよ。ロン・ウッド加入前ですが。