blue marbleの「スティールバンド・トリニダード」という曲のイメージが、なぜ「船乗りたち」でなければいけないのか?・・・の答えが、このアルバム。ジャケットのメンバー23人は、青空の下、船の上で演奏しています。陽気でありながら、どこか浮世離れしたようなパンの合奏と、その響きはミラクルとしかいいようがありません。


初めて聴いたスティール・パンを使った本格的なアルバムが、このエッソ・トリニダード・スティール・バンドでした。このアルバムの存在を知ったのはヴァン・ダイク・パークスが80年代に来日した時のパンフレットにて。もちろんプロデュースもヴァン自身で、ソロ「ディスカバー・アメリカ」('72)でも彼らは大活躍しています。


ドラムとパーカッション以外は、すべてスティール・パンで、リズムこそカリプソっぽいけど、選曲はキンクスサイモン&ガーファンクル、ジャクソン・ファイヴ、など通俗的なポップスも交えつつ、見事にユルい感じで統一されているのは、メンバーの素朴な歌声ゆえでしょうか。