シンバルスはノーチェックでしたが、土岐麻子のソロ作は、何となく買い続けています。カバー集も悪くはないですが、やっぱりオリジナル曲主体のアルバムが落ち着きます。自分は、こういうのが日本のポップスの王道だと思ってますが、しみったれた曲ばかりがウケる今の世の中では、なかなか大ヒットとはいかないのが現状。


わりとフワフワした声質みたいな印象があるようで、実は結構硬派な歌声。昭和のジャズ歌手みたいな英語も日本語も必要以上にハッキリと輪郭が見えるような発音。さらにジャストなリズム感の持ち主です。曲によっては単調になりそうな部分も、彼女の歌声の魅力で持ちこたえるあたり、まさに「歌手」のアルバム。


冒頭3曲の、まるで初期のEPOを彷彿とさせるような怒涛のシティポップ攻撃がいいですね。それにしても斉藤由貴の「青空のかけら」のカバーには驚きました。「卒業」より好きだったこの曲のシングル盤をリアルタイムで買って愛聴していたくらいですから。懐かしい中学時代の同級生に偶然再会したような気分。