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ピコピコという、いかにもテクノポップの王道みたいなアレンジは、さすがベルギーの個性派テクノ集団、テレックスのお仕事。たとえお仕事であっても、ちゃんと自分たちの個性をアレンジに反映させています。それを嬉々として受け入れているフランスの元パンク少女リオのキュートで、どこかやけっぱちな歌声も素敵です。
曲によっては生ドラムで、エレキギターがフュージョン風のカッティングだったりするものの、あくまでプロフェッショナルに「まとまらない」アレンジが、キチンとニューウェイヴの法則を守っているあたりに好感が持てます。たとえ日本でいう歌謡曲的なポジションのアルバムでも、ちゃんとDIY精神が宿っているのですね。
ピコピコなテクノポップは、もう80年代後半ぐらいから既に「懐かしい」という感覚でキッチュに楽しんで開き直って聴くのが主流だったのですが、最近では、むしろこのあたりの音が、もう普通に「新譜」のように聴こえてくるほど新鮮に感じます。本当の意味での80年代音楽の復権が始まるのは、むしろこれからなのかも。