NHK−FM「サウンド・ストリート」の坂本龍一のラジオの人気プログラム「デモテープ特集」から選ばれた、いわゆる素人音楽家たちのオムニバス盤。時代が時代ゆえにカセットテープとローテクなアイデア先行ばかりの奇抜でユーモラスな曲ばかり。それでいて、なぜか80年代という時代のノスタルジーを強く感じさせてくれます。


一番有名なのが「福岡市ゴジラ」でしょう。いまだに伊福部昭のオケが流れるたびに「♪ゴジラメカゴジラ〜」と歌っちゃいますから。教授のオケにヒンドゥー語の女性ラップを乗せた可愛らしい「チベタン・ダンス」などは、異様なほどハマっていて、むしろこれを聴くと「音楽図鑑」収録の本テイク版の方が何か物足りない、という。


デビュー前のテイ・トウワと槙原範之の楽曲が収録されていることでも話題ですが、何と言ってもデモテープ特集の常連だった岡元清郎の「Giappone」と「Marble Water」が最高。正直、同時期の教授のソロ・アルバムを超えてるんじゃないかと思うほどカッコいいサウンドだし、コード感やハーモニーも絶妙。まちがいなく天才。