ラテンでありながら、ブーガルー感覚のいかがわしさを70年代的16ビートに消化した、いわゆるレア・グルーヴの古典。初めてCDを聴いたのに、聴いたような曲が多かったのは、「Luv N' Haight」レーベルを始め、数々のコンピレーションに彼らの曲が登場していたからでしょう。


その中でも有名な「My Friend」で歌っている女性ボーカルがアンジェラ・ボフィルだったというのも、JAZZMANからの再発ライナーで知ったのですが、それ以上に、このアルバムにまつわる逸話の数々が面白かった。あの悪名高きドン・キングがボクシングのプロモーションのために彼らを利用した、とかなんとか。


さらにドンとマレーロの利害関係の悪化で、完成したマスター・テープが盗まれ、後に未完成テープを元に税金逃れの一発屋レーベルから無断でリリースされたとか。オリジナル盤が一時期30万円を超えるレア盤で、今まで再発されなかった理由も納得。しかし、そんな話はどうでもよく、とにかくご機嫌なNYラテンなんだから!