81年に発表された過激なオルタナ・パンクの大傑作アルバム「死ぬほど踊り続けて」を先に聴いた人には、幾分ポップすぎて物足りなかったらしい吉野大作&プロスティテュートの2nd。70年代から活動していて、アルバム数も多いのですが、知れば知るほど、逆に謎が深まるような不思議なミュージシャン。


当時、中学生ぐらいだったボクが、なぜこんなインディーのアーティストのレコードをなぜ買ったのかというと、佐野元春がラジオで、このアルバムを紹介していたから。ポエトリー・リーディングとロックの融合は元春の専売特許だと思っていただけに、このアルバムのタイトル曲を初めて聴いたときにはぶっ飛びましたね。


フリクションをポップにしたような感じといいますか。あとエコー&ザ・バニーメンのような、サイケデリックで混沌とした音楽ではあるんだけど、どこか透明感があって、とても美しいサウンドでもあります。詞の世界観には、早川義夫あたりの影響も垣間見れます。そう考えると、徐々に穏やになっていく音楽性も納得できます。