ビル・ウィザースのライブ盤。アナログ盤2枚組を買ったのは15年前くらいでしたが、最近CDで買い直してひさびさに聴いたら、めちゃくちゃに感動してしまいました。昔は、1曲1曲が妙に長いような、だらけた印象だったのですが、これが年月を経て聴いたら、ぐつぐつ煮込んだ特製カレーのようなまろやかな味わいではないですか。年月を経てどんどんコクが出ているような。


ビルの渋い歌声もさることながら、ドラムのジェームス・ギャドソンが、とにかく奇跡的なほど最高なグルーヴ感を出してます。単に手数が多ければ上手いと思ってるドラマーは、これを聴いて反省すべし。フィルインも何もなくても、たった一つのハイハットだけでも、会場全体を大きく揺らしてしまうような存在感。血管のすみずみまで浸透してゆくリズムという名の魔法。


代表曲「Lean On Me」の会場全体を包み込むゴスペル風バラードに、ダニー・ハサウェイのライブ盤における「きみの友達」に共通するものが。実際、泣けます。しかし、間髪入れずに、どファンキーな「Lonely Town,Lonely Street」になだれ込み盛り上がる構成も完璧。弦や管もあるし、会場も大きめなのに、印象はスモールコンボ風のジャム的雰囲気なのもいい。とにかく必聴盤。