年末ギリギリに飛び込んできた今年のグレート・ディスカヴァリー・アーティスト。何でも三重県在住の専業主婦が家事の片手間に録音した曲を集めた7曲入りの自主制作盤だとか。これがまるでYENかノンスタンダードから発売されていてもおかしくないような80'sエキゾ・テクノ臭が満載のポップス。浮遊感のあるウィスパーヴォーカルなど、当時の小池玉緒の未発表作品かと思うほど。


1曲目からミカドみたいなミディアムテンポの素敵なテクノポップ。面白いのは2曲目、3曲目あたりのニューオリンズ風味のR&Bテイストで、このあたり細野晴臣がアイドルだという彼女ならではの独特の個性が垣間見れます。今やテクノポップを志す宅録女子など珍しくもないのですが、あの細野さんの持っていた独特のハーモニーセンスやルーツまでちゃんと継承しているのだから恐れ入ります。


ラストの「escapism」のような美しくもエキゾな曲にも、クラウン時代の細野さんへの深い愛情を感じます。彼女自身は「自分はアーティストではなく、あくまで専業主婦」と控えめですが、おそらく来年には全国のテクノポップファンが彼女の存在を見つけて狂喜乱舞しているはず。まだ全国流通されてない自主制作CDですが通販や入手方法などはSayoko-daisyの日記でチェックされたし。