毎週金曜日の夜にInter FMでやっている「Funk 'n' Stuff」というラジオ番組が好きです。ブラックミュージックを中心にした選曲とDJマービンの英語と日本語がごちゃごちゃになった何とも愉快なおしゃべりが面白い。会社帰りの車の中で聴くことが多いのですが、先日突然流れてきたミニー・リパートンの「Memory Lane」は不意打ちでした。夕暮れ時の空の下で流れたイントロの気持ち良さにうっとり。リズム隊はハービー・メイソンとチャック・レイニーという強力コンビ。


邦題は「ミニーと出会ったら」。原題はシンプルに「Minnie」(1979)。彼女の遺作で、アルバム発売から3か月後に31歳の若さで亡くなっています。ミニーと一緒に曲を書いているリチャード・ルドルフは、この頃は彼女の公私にわたるパートナーでした。彼のジャジーなコード進行も独特で、先の「Memory Lane」もブリッジのコード進行が一風変わっています。ちなみにリチャードはその後も音楽プロデューサーとして活躍し、何と笠井紀美子と結婚したそうな。これにはびっくり。


ガンと戦いながら病院とレコーディングスタジオを往復し作られた本作。気になるゲストはスティービー・ワンダー。「Lover And Friend」のイントロで声が聴こえます。「Light My Fire」のカバーのラストでミニーと楽しそうにデュエットするホセ・フェリシアーノも聴きものです。それにしてもボサノヴァ風味の「Never Existed Before」の美しさといったら。ラテンパーカッションとギターにコーラスが重なり合う中間部はいつ聴いても鳥肌が立ちます。ミニーの曲ではこれが1番好きかも。