40周年記念というシュガー・ベイブの再発盤を聴きながら早速つぶやいていたら、「別に普通のポップミュージックを完璧に作ったってだけの話じゃない」という別の方のつぶやきが。これって当時は相当マニアックだった「日本のポップス」を山下達郎さんや大貫妙子さんが「普通」に聴こえるまで必死に何年も音楽活動を続けてその下地を作ったわけで、そこに至るまで、どんだけ挫折と執念と反骨精神があったのかと...って、まぁ別にいいんですが(笑)


ふと大滝詠一さんがロンバケ発表時にやったインタビューの「マニアックというけど、それは商業的に売れない音楽に対する、ある種のレッテルでしかない。サウンドの質じゃないのよ。」という言葉を思い出しました。もし「SONGS」を聴いて「良質な普通のポップス」と思う若い現役のミュージシャンがいたら、そう聴こえることの幸運を噛み締め、安易に彼らのサウンドの表層をなぞる前に、サウンドの背後に潜む膨大な英米のロックンロールの歴史を辿ることが重要なわけで。そこに、このアルバムの時代を超える名盤としての耐久性のヒントがあるかと。


とはいえ、ほんの20年遡ればロックンロール黎明期にたどり着ける1975年当時と違い、今やシュガーベイブですら40年前。今後こういった商業音楽の歴史も、もはや10年単位じゃなく50年単位ぐらいで物事を計る時代に突入しなければならないかもしれないと思うと、ひたすら気が遠くなるばかりです。ただ、もしその膨大な日本のポピュラー音楽の歴史を簡略化しても、やはりこのアルバムは後世に残るものだとは思いますけど。今回の40周年記念盤の内容に全然触れませんでしたが、それは他の方のブログを参考に、ってすみません。