たぶん、自分がお爺さんになっても、この音楽が大好きでいられる自信があります。一生モノの、まさに「鳥肌音楽」。何故だか知らないけど、ライ・クーダーの、特に70年代のアルバムは、自分の体調や精神がどんな状態であれ、耳にすっと入ってきて馴染んでしまうのです。聴かずは一生の損の名盤ですぞ。


どんなにテクノロジーが進んでも、再現不可能な生楽器の魅力というものがあって、それがライのスライド・ギターのようなニュルっとしたサウンドだったりするのではないでしょうか。ここではそこにギャピイ・パヒヌイのスティール・ギターもあったりで、まさにニュルニュル音のオンパレード。


あとサウンドの間を生かしたジム・ケルトナーのシンプルなドラミングや、野菊の花のようにヒラヒラと舞い踊るフラコ・ヒメネスのアコーティディオンもたまりません。それぞれの楽器が好き勝手に演奏してるようなのに絶妙な間合いで絡み合うアレンジは、まさに奇跡。演奏上手は、まず聴き上手でなければ、というわけですね。