発売当時は相当ガッカリした記憶があるんですが、今聴くと、そんなに悪くないというか、純粋に「完成度」ということなら、これがバンド・サウンドのの最終地点だったのかも。サウンド的には完全に洋楽で、タイトル曲などトニー・マンスフィールドのNew Musikが、87年まで活動を続けていたら、という感じに。


もうテクノといってもピコピコの世界ではく、スクリッティ・ポリッティのような作りこまれたサウンドメイキング。さらに女性作詞家ばかりを起用した歌詞は、どれもCMのタイアップ曲のよう。初期の高橋修氏を起用した、あの童話のような素朴なテクノからのバンドのイメチェン。ところが、これが結局バンドの最終作に。


不思議なのはラスト曲「ペーパームーン」がテクノでもなんでもない、まるでレベッカのごときバンド・サウンドのよるポップ・ロックで、これが思いのほか今聴くと新鮮な名曲に聴こえます。「浮気なぼくら」の頃のYMOを思わせる歌謡曲路線(でもなりきれてない)を思うに、最後のファンサービスといえる1枚だったのかも。