個人的にブラコンがブームなので、ひさびさに聴きなおしてみましたが、やはりこれは大傑作。ジューニーことウォルター・モリソンは、オハイオ・プレイヤーズを売れる前に脱退し、ファンカデリックの「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」('78)でも大活躍したP−FUNK系の主要人物。


ジョージ・クリントンが「天才」と呼び、細野晴臣の愛聴盤であり、小西康陽ダン・ヒックスと並べて紹介しているジューニー。メリハリの効いたビートがいかにもこの時代らしいブラック・ミュージックの典型ですが、軟弱な歌声と美メロと女性コーラス、それにホーンやブヨブヨしたシンセまで、何もかも最高です。


ファンキーでのユーモラスなアプローチもさることながら、バラードも泣かせます。ブラック・ミュージックらしからぬロック調の曲でみせるハードさには、「売れる前のプリンス」っぽいところも。でも全体的には洗練されてジャジーな雰囲気。内容が好きになると、このおバカなジャケも、だんだん好きになってくるという。