■
主役の女の子2人にそれほど個性があるわけでもないけど、80年代アイドル歌謡にあった、ある種の「歌わせられ感」が好きな人にはたまらないものが。当然チェックしているのは相対性理論が好きなファンが多数と思われますが、どんどん孤高の存在になりつつあるやくしまるえつことは違い、こちらはぐっと地に足がついたイメージ。
「ハイファイ新書」の頃の、あのクセになる真部随一メロディーはここでも全開で、どの曲もたった2回ぐらい聴いただけで、サビを一緒に口ずさんでしまうほどにキャッチーなのだから恐ろしい。まるで女子高生のTwitterのような言葉すら、そこに妙にオリエンタルなメロディが乗るだけで俄然輝いて、心にグッとくるものがあります。
どの曲もサラっと簡単に作っているようで、実はダシが濃厚で誰にもマネできない「つけ麺屋」のような裏方の職人ワザが光る曲ばかり。オーソドックスなバンドアレンジを主体としながら、ちゃんと今の時代を感じさせるサウンドの奥行きも優秀。ドラムの西浦謙助が作詞している「鳴門」が特に好きで、これは相当盛り上がります。