ビートルズは怖い!?

みなさんは、幼少期にトラウマを残した怖い曲ってないだろうか。ボクは、いろいろあるのだが、実はビートルズの一部の曲が、すごく怖かった記憶があるのだ。
何でビートルズって思われるかもしれないけど、たとえば「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」。一度フェードアウトしてから、再びドラムのバタバタとしたビートがフェードインしてくるエンディング。昔から「どうしてこういう終わり方なのか?」と疑問を感じていた。あとジョンの曲だと「レボリューション9」が怖かった。というか「ホワイト・アルバム」全体に漂う殺伐とした雰囲気が、子供の頃から怖かったのだ。弾き語りとハードなバンド・サウンドが交互にやってくるような選曲からして心臓に悪いというか・・・。
デモ・テープ的な投げやりな曲が多いのが、逆にレアな感触を残して今でも新鮮な「ホワイト〜」。・・・と今では冷静に判断できる。ある程度大人になってからは、このアルバムが「ビートルズ崩壊のドキュメント」という意識で冷静に接することもできる。しかし子供の頃は、ただただ怖いアルバムだっただけ。「ロング・ロング・ロング」の絶望的なエンディング。「グラス・オニオン」の奇妙なストリングス音だけのエンディング。「ヘルター・スケルター」のラストでリンゴが意味不明な怒鳴り声を上げるのも怖かった(実は、曲があまりにハードなんで「指にマメが出来ちまったぜ!」と言ってるだけなんだけど・・・)
「サージェント・ペパー〜」ってアルバムも、子供の頃怖かったねぇ〜。あの有名な「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の無茶苦茶な不協和音を奏でるストリングスによるエンディング。耳をつんざくようなサウンド・コラージュで眩暈を誘う「ミスター・カイト」のブツ切れのようなエンディング。それまで陽気なサウンドだった「ラブリー・リタ」が、ラストでマイナー・コードになって、奇妙なエコーと変な声でグチャグチャになってしまうエンディング。すべて問答無用で怖かった。
あと「サージェント〜」のアルバム最後で、「キーン」という音の高周波と「変な笑い声」が入るのは何なのだろうか?あれ、本人たちはジョークのつもりでも、こっちはただただ意味不明なだけに怖かっただけ。ところでこの「笑い声」の部分、レコード盤だと溝の部分がループするようになっていて、針を上げない限りずっと音が続くという仕掛けだった。しかし子供の頃聴いてた古いステレオ装置だと、レーベル部分に針が達したところで、プレイヤー側が自動的に針を上げてくれるシステムだったので、この最後の笑い声部分が一瞬しか聴こえなかったのだ。ところが後年CDで聴いてたら、その笑い声の部分がループしてるんだもの!まったく、トラウマに追い討ちをかける結果になったじゃないか。あ〜心臓に悪い(笑)というわけで、ビートルズは怖かったという結論でした。

本日のピックアップ

マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイン・オン」('71)

さんざんビートルズの話をしたのにコレかよと思われるかもしれませんが、どう考えても一番怖いのは「マーシーマーシー・ミー」のエンディングだと思う。なんでこんな暗い終わり方なんだろう?実は先に、とんちゃんの方から「あれは怖い」と言われて「やっぱり」と思ったことなのだが。
(なべ)