「わけがわかんない」というのは、ほとんど否定的な意味合いで使われる常套句ですが、このFuture Shockの唯一のアルバム('77)は、その部分を思いっきり楽しんだ方が得かも。プログレ好きには、「One」('71)というアルバムで有名なCirkusがバックを担当しているということで有名なんですが、内容は「駄作」みたいな感じで扱われていたみたい。


77年にもなって、ヒッピー気質丸出しの内容なのはジャケからも想像できるんですが、かといってサイケというわけでもなく、オープニングなんか、モロに70年代初頭のプログレ。な〜んだ普通じゃん・・・と思いきや、突然語りが始まったり、意味不明の弾き語りや小鳥のさえずりやら、謎のコラージュにどんどん展開していきます。


わりと牧歌的な泣きのメロディーのシンフォニック・ロックもあって、普通のプログレ・ファンは、ここで「当たり!」となるわけなんですが、混沌とした他の曲も「わけがわかんない」のが、いい感じの味わい。もしかしたら舞台か演劇のためのサントラかもしれません。ボンゾ・ドッグ・バンドみたいな毒気のあるパロディ曲もチラホラ。