いきなりですが、オフコースです。これは、オフコースの中で、一番「キリンジ度数」が高いアルバムだと思うんですが、シティポップとしても極上。落ち着いたアーバンな雰囲気漂うアレンジと、シンプルさゆえに、時代を感じさせない歌詞の普遍性も相まって、いつまでも新鮮な気持ちで聴ける名盤。


バンジョーの隠し味も最高なシャッフルの「いつもふたり」(名曲!)から、ゆったりとギターのアルペジオが流れる「夢」へと続く展開のため息が出るような美しさ。アーバン・ソウルな「この空にはばたく前に」から、名バラード「夏の終り」と流れる様も素晴らしい。アカペラが一瞬流れて終わる構成も見事。


小田和正鈴木康博という2人のソングライターの曲順と配置も完璧。不思議なのは、歌謡曲になりそうで、なってないところ。よく聴くと、ちゃんとロックしてるんですよねぇ。このあたりチューリップにも通じます。オフコースもチューリップも、ベスト盤じゃなく、アルバム単位できちんと評価されるべき。