どうもジャズのライブとかコンサートが苦手な方でして、こればっかりは相性の問題なんでしょうか。特にソロとか延々やられても退屈なだけなんです。でも決してジャズが嫌いというわけではなく、いやむしろ大好きなんですよ。でもジャズは家でレコードを聴いたり、ジャズ喫茶とか深夜のバーとか、そういうところでレコードが流れている方が心地好くなれるのです。コンサートと違って、ソロが延々続いても視覚的には演奏者を「無視」できるという気楽なところがいいのでしょうか。変な話、ジャズというのは集中力をもって聴くよりも、「流して聴く」という軽い感じの方が疲れなくていいですね。だからライブよりレコードの方が好きなんでしょうか。客席でよそ見をしたりおしゃべりしたりするのも一生懸命演奏している人に失礼かなぁと思って気を使っちゃって、それがあまりライブを好きになれない理由かも。

そんなわけで、今日は家でジョン・コルトレーンを聴いてます。ここでマイナーなジャズを紹介して渋く責めようかとも思いましたが、結局有名どころです。もう大ファンですから。後期のあんまりワケわかんないのは結構疲れますが「史上の愛」あたりまではどれも普通に好きなだぁ。よくコルトレーンを「ヘタ」とかバカにするジャズ・ミュージシャンの人もいるんですが、コルトレーン・ミュージックのよいところは、そのヘタ寸前の「奥ゆかしさ」なんですよ。吹きすぎと思えるような部分でも、何故か目立ちたがってるようなイヤラシさを感じません。時折フレーズがたどたどしくなっても、ごまかしたり茶化したりしません。もう一度自分で何かを確かめるように吹きなおしてみたりする。まぁ、おかげで曲が長くなっちゃうのはご愛嬌。ハッタリのようでいて、実は大袈裟なことが本当はキライな人だったんじゃないかなぁというのがボクの印象です(確かに集団フリージャズみたいな「アセンション」とかはハッタリっぽいけど・・・)

特に「My Favorite Things」なんか、こう普通っぽくてよいアルバムですよ。好きですね。タイトル曲は、その後何度もライブで演奏してますが、このスタジオ・テイクが素朴で好きです。ソプラノ・サックスですが、コルトレーンが演奏すると、あまりうるさくないのです。他の人だとソプラノって結構耳がキンキンしてうるさいんですけね。他の3曲もコール・ポーターガーシュインの有名スタンダードですが、当時のジャズでさえ何を今さら的な選曲にもかかわらず、ちゃんとコルトレーン・ミュージックしているのはさすが。革新的ではないけど、ホッと一息という一枚。