英国フォークも、行き着く果ては「リリジャス系」か「スクール系」にたどり着くらしいです。スクール系は、文字通り学校の卒業記念とかで制作される合唱モノLPで、さすがに英国だけあってフォークっぽいのが多いらしい。リリジャス系は、いわゆるジーザスもの。宗教ソフト・ロックならぬ宗教ソフト・フォーク。


でもって、この11:59(Eleven Fifty Nine)の「Our Sacrifice Of Praise」('74)はリリジャス系フォークの名盤として、近年発見され徐々に評価を上げていったアルバム。いわずもがなジーザス物のアルバムというのは、ほとんどがクズ同然の内容が多いらしいですが、どうやら、これだけはゴミの中から出てきた宝物。


さすがにアップ・テンポで「ハレルヤ、ジーザス!」みたいに歌われる曲は気持ち悪いんですが、スローの曲での女性ボーカルの幻想的な雰囲気は格別で、その何ともいえない儚い雰囲気は、英国フォーク・ファンのみならず、ソフト・ロックのファンをも虜にしてしまうはず。メロトロン入ってるのもポイント高し。