2009-01-01から1年間の記事一覧

「ひとりぼっちのスタジオ」という、ちょっと悲しい邦題の通り、ほとんどの楽曲をデイヴ・エドモンズ本人による多重録音によるアレンジで仕上げたアルバム。全曲50年代から60年代にかけてのロックン・ロールやポップ・ヒットのカバー曲ばかり。アーティ…

Dave Edmuns / Subtle As A Flying Mallet (’75)

かつて「ポップになりすぎた」と批判を浴びていた本作ですが、今では後期の傑作とまでいわれてます。が、あくまでプログレ・ファンの間だけの話。ジェントル・ジャイアントがロック・ファンの間で今ひとつ不人気なのは、今も昔も変わりませんけどね。もし「…

Gentle Giant / The Missing Piece (’77)

カリフォルニア録音で、ほとんど全編チャールズ・ラーキーがベースで参加してます。更にキャロル・キングもピアノで1曲参加。「つづれおり」に影響されたものであることは、オリジナル・ジャケットの質感からも明らか。エンボス仕様のザラザラ感。分厚いダ…

五輪真弓 / 風のない世界 (’73)

高橋幸宏にとっては「ニウロマンティック」直後、鈴木慶一にとってはムーンライダーズの「マニア・マニエラ」直前。そんな勢い溢れる2人によるコンビ第一作だけに、悪かろうはずもありません。内省的でロマンチックでありながら、なおかつインダストリアル…

ザ・ビートニクス / 出口主義 (’81)

ジョン・レノンのボーカルがダブルになったのと、エコー感がライブっぽい感じだったファーストに比べ、ギターやドラムの音に、さらに強いリミッターがあるような。いわゆる多くの人が想像する「初期ビートルズ」のスタイルを、ジャケも含めて見事に体現。リ…

The Beatles / With The Beatles (’63)

オハイオ・ノックスといっても、ほとんどピーター・ゴールウェイのソロ。「フィフス・アヴェニュー・バンド」('69)と「ピーター・ゴールウェイ」('72)という前後作も含めて3部作と呼びたいですね。フィフスよりはジャジーでブルージー、ピーターのソロのフ…

Ohio Knox (’71)

プリペアード・ピアノによる謎のオープニングに続いて、妖しげなフリー・ミュージックが始まったと思いきや、聴きなれたメロディ(ビートルズのミッシェル)が流れ出します。そのままムーディーなピアノ・トリオ演奏になるかと思いきや、ドラムとベースの緊…

佐藤允彦トリオ / パラジウム (’69)

「そもそもジェームス・ブラウンとJ.B.'sって何が違うのよ」とか、「Pass The Peas」と「Gimme Some More」とは、どう違うのよ、とか。そういう細かいことを論じてもしょうがないというくらいにワン&オンリーな存在が、JBファミリーのサウンドなわけで…

The J.B.’s / Funky Good Time:The Anthology (’95)

大滝詠一監修のアストロノウツ盤も最高でしたが、やはり山下達郎監修のベンチャーズ盤も、有名すぎるが故に多くの誤解を生んだ「偉大なるロックンロールバンド」という側面にスポットを当てた素晴らしい編集盤。CD2枚組なのに、収録曲が66年ぐらいまで…

The Ventures / The Ventures Forever (’89)

まったく音楽と関係ないんですが、このジャケ、スゴイなぁ(笑)いや、何も考えてないという意味で。いや、考えてるのかな。更に歌詞カードの写真もすごくて、断崖絶壁の中をフェラーリが駆け抜けているという意味不明さ。え〜と、スーパーカーのブームって…

杉真理 / Overlap (’82)

こういう激しいロックというかパンクなアルバムを紹介すると、意外に思われることも多いんですが、実はコレ、激しくはあっても野蛮じゃない、相当スタイリッシュな音楽だと思うのですよ。フリクションって、とにかく音がスマートで無駄がない。音に余計な贅…

フリクション / Zone Tripper (’95)

ビートルズは、ボクにとって初めて夢中になった「音楽」であり「ロック」でした。兄の影響もあったんですが、小学校1年生ぐらいで、彼らのほとんどのレコードを聴ける環境にあったというのは、もう自分で自分が羨ましい(笑)だから、もうビートルズは好き…

The Beatles / Please Please Me (’63)

センス史上主義。なおかつコンセプト重視。加藤和彦のこうした徹底的なこだわりも、すべてがあまりにも明確な意思を持って全編が貫かれているから、すごいのです。オシャレとかセンスの良さとかそのいうものって、実は軟弱なようでいて、結局最終的には、そ…

加藤和彦 / ベル・エキセントリック (’81)

後にメンバーからも酷評され、散々な目に合っているジャパンの初期2作ですが、そこまで言うかぁ、と個人的には思うわけです。というか、ジャパンといえば初期のパンクとファンクとレゲエが混ざってとっ散らかった無理矢理なスタイルが他にはない個性だった…

Japan / Obscure Alternatives (’78)

70年代初頭に流行し、その後ポルポト政権によって弾圧されてしまう「カンボジア・ロック」を、現代に再現するというとんでもないコンセプトで結成されたLAのバンド。マイナーメロディを主体にしたクメール調の歌謡曲っぽいサウンドは、無国籍かつ時代感…

Dengue Fever (’03)